おるかろん

Wの悲劇のおるかろんのレビュー・感想・評価

Wの悲劇(1984年製作の映画)
4.0
現在2015年ですが初見(^_^;)

てっきり推理モノだとばかり思てたのですが、それは原作の方だそうで、映画版は原作を劇中劇に落とし込み、スキャンダルを利用して主役の座を得た劇団研究生の顛末を描いた物語になっております。

コレが神アレンジ!

舞台と本編が絶妙にシンクロしててモンゲーハラハラします!

製作側の都合で、原作そのまま映像化てのが難しかったそうですが、いやコレよく思いついたね製作者の方!

そしてよくOK出したね原作者の方!

更にこの神アレンジのプロットを大いに盛り上げるのが、神役者達の神演技!

言い出したらきりがないのですが、取り敢えず「三田佳子は化け物かっ!」だけは言わせてください!(誉め言葉)

緞帳が上がる瞬間、羽鳥翔から 和辻淑枝に変化する様は寒気さえ覚えます!(超誉め言葉)

そんな神役者達が織り成すドロドロ劇はクライマックスで大爆発するのですが、続くエンディングではまるで憑き物が落ちたかの様に爽やかな場面に切り替わります。

小坂明子の「あなた」を彷彿とさせる様な背景の中、静かに交わされる別れ話。世良公則メッチャええヤツ!(≧▽≦)

それまでのドロドロ劇が嘘のように爽やか切ないシーンです。

まぁ、時の河を渡る舟にオールはない訳でして、どこに流されるか判らないので、ワガママ言っても叱らないデネみたいな事なんでしょうかねぇf(^^;

ともかく。

息をするのも忘れるほどのカタルシス。

グッとくる作品でしたm(__)m

蛇足: 錚々たる役者陣の中に、蜷川幸雄がフッツーに混じってて、フッツーにお芝居してるのってヤッパ笑うトコなんですかねぇ?

「今風に言うと愛人バンクって事ですよね!」って言ってた梨元さんとおんなじ感じで…_(^^;)ゞ