白井宏幸

パンターニ/海賊と呼ばれたサイクリストの白井宏幸のレビュー・感想・評価

3.7
【覚書】
1999年に世界最高峰の自転車レースである
ジロ・デ・イタリア
ツールドフランス
この2つのレースの勝者となり、未だ唯一、誰とも肩を並べないダブルツールの覇者、マルコ・パンターニの生涯と、プロスポーツ業界の金と薬物についてのドキュメンタリー映画。

ランス・アームストロングの「疑惑のチャンピオン」に引き続きの鑑賞。
プロスポーツの世界ではプレイヤーは駒。
そう思う。

でも、それにしても。
あの山をひとりで登り切ること、それを通して興った熱狂は嘘じゃなかったと、思うんだけれど、その熱が激しいほど、裏切られた、騙された、と思う心理ももちろんわかる。

生きているアームストロングには批判的に、
死んだパンターニには同情的に、
それぞれの映画が作られているように思う。

ただ、誰よりも早く、誰よりも高く、
16歳の少年の目をもったまま、大人になる事はできなかったんだなぁ。

「プロになったから自転車は辞める」

死んだ後にこの言葉の重みがわかる。
白井宏幸

白井宏幸