みおこし

キング・アーサーのみおこしのレビュー・感想・評価

キング・アーサー(2016年製作の映画)
4.2
大好きなガイ・リッチー監督×アーサー王伝説。もう今か今かと公開を心待ちにしておりました...。観終わった今、控えめに言って「最&高」でした!!!!(笑)
...興奮冷めやらぬうちにレビューを!!(このレビュー書いた翌日に2回目いきました笑)

イングランドの賢王として知られたユーサー王の弟ヴォーティガンは、反乱を起こして国王となった。亡きユーサーの息子アーサーは命からがら逃げ出し、ロンディニウムの売春宿で育てられる。それから何年も経ち、アーサーは聖剣エクスカリバーに導かれ、真の王となる道を歩み始める...。

というわけで本年度ベストは今の所『マグニフィセント・セブン』だったのですが、本作も同率1位に上り詰めました。ものすごーーーく面白かった!!(笑)久々に「まだ終わらないで...もっと観たい!」と思える作品でした。前評判が悪かったのが信じられない...。多分ガイ・リッチーが個人的に5本の指に入るほど好きな監督だということ、そして昔からジュード・ロウ様を心底お慕い申し上げているというのもあって、なおさら加点(笑)。

まずはガイ・リッチーといえば、という感じの圧倒的な迫力のオープニング。『スナッチ』を初めて観た時みたいな、「スゴイ映画が始まるぞ...」と胸が騒ぐあの感覚。ゾウさん?やエリック・バナが大暴れからの、ジュード・ロウ演じるヴォーティガンの反乱シーンへの繋げ方、そこからアーサーの成長シーンへの展開がもうスタイリッシュさの極み。出てくるモンスターや黒魔術の描写も、グロすぎず軽すぎず、程よいけど強烈なビジュアル!(笑)
音楽も北欧神話を彷彿とさせるような、民族音楽にロック要素が入ったとにかく斬新なサントラ。口笛や吐息が混ざった曲もあって、本当にこんな音楽初めて...。かーっくいい!!
気になるストーリーも、スラム街で育ったアーサーが次第に王らしくなっていく姿がきちんと描かれていて、確かに登場人物は多いけどきちんと説明となる映像が差し込まれるので、なんとか付いていけました。
アーサー役のチャーリー・ハナムは本作以前はノーマークだったのですが、貧しくて粗暴な青年からあのラストシーンへの表情の変化が素晴らしくて、エクスカリバーを振るう姿もとってもクールでした!パパ役のエリック・バナも登場シーンは少ないけど印象的だったし、円卓の騎士たちもみんな個性豊か。
...そんな中、肝心なジュード・ロウ様はというと、超極悪非道の暴君ヴォーティガン役で、まさに新境地開拓。
群衆をひれ伏させ、反逆者の耳を剥ぎ取り、愛する者さえ命を奪う権力の塊。しかし人間らしい苦悩も併せ持っている...という複雑な役回りを、シェイクスピア劇さながらの熱演。視線の投げ方、ちょっとした仕草がとにかく圧巻、英国を代表する演技派の俳優さんの貫禄。さすがリッチー監督、ジュード様の魅せ方は完璧に心得ているので、ファンの方はその邪悪な眼差しにやられること間違いなしです!(笑)

...ホームズの時もそうだったけれど、原作や史実に新解釈を加えて、全く別のものとして再生産できるリッチー監督の手腕は、まさに天才。しかも、レトロとモダンを見事に掛け合わせ、映像や音楽、セリフまでとにかく今まで観たことない迫力に持ってゆく。スローモーション、下からのあおり、そして超アップなどなど、大げさなくらいの強烈なカメラワークで、とにかく余すところなくカッコいいシーンを見せてくれるファンサービス精神には脱帽です。
本作はゾクゾクっとしちゃうような、そんなカッコいいシーンが散りばめられていて、極上のエンタメに仕上がっています。もうあと最低10回はこの独特な世界観を劇場で堪能したい!(笑)

本作にハマらない方とハマる方の差が激しいようですが、中世イギリスの伝説や『ロード・オブ・ザ・リング』のファンタジーな世界、そして男臭くてワイルドな空気感がお好きな方はきっとツボにハマります!ぜひ唯一無二のリッチーワールドは劇場にて、大迫力でご堪能あれ!めちゃくちゃオススメです!!!!
...ベッカムのシーンだけはいらなかったなぁ(笑)。
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