序破Qシンを全て見終えたうえでの感想のようなもの。
新劇場版と呼ばれる4作品のみでしかエヴァという作品に触れていないが、他の人の感想を読む限りアニメ版と新劇場版とは全く異なるものらしい。
序の段階で、これはシンジくんの成長ストーリーなのかなと感じていた。
序で、嫌々エヴァに乗らされるシンジは守るべき仲間ができ、仲間を守るために戦うことができた。
破では、テーマが愛に変わる。シンジの乗るエヴァが暴走し、中にアスカがいるはずのエヴァと対決させられ、シンジの意思に反しアスカを殺してしまうという事件が起きる。愛する仲間を救えなかったシンジはまた自信を失い塞ぎ込んでしまう。最後の戦闘で、このままだとアスカに続きレイも失ってしまうという状況になると、シンジは愛の力で覚醒し、レイを救う。
4部作の中で1番コンテンツとして面白いと思ったのが、この破である。
破は、「主人公が試練にぶちあたり、それを乗り越え成長する」という鉄板のストーリー展開と、観客が楽しめるようなエヴァと使徒との対決というアニメーションの表現とのバランスがとてもいいと思ったからだ。
序はアニメーションというより煮え切らないシンジの葛藤に長く焦点が置かれており、Qはストーリーが難解な上、アニメーションでなんとか誤魔化しているような作品。シンはシリーズを終わらせにいくためにキャラクターの一貫性を感じないような強引な部分があったように感じる(新劇場版だけ見てると)。
音楽の使い方が遊び心あって、とても感心したけど、他の作品と比べると、「今日の日はさよなら」と「翼を下さい」は、少し浮いてる印象だった。試練と感動のための音楽だと解釈したが、シュールさが勝ってしまったように思う。でも、二曲とも人の心に残る音楽になったのは確かだと思う。
個人的にエヴァは、平和と戦闘のギャップがツボなんやけど、今回も手料理を作るシンジとか、シンジにインスパイアされ、料理をし始めるレイとアスカとかそういうシーンが好きだなと思った。
ああいうのを見てしまうとエヴァは全てシンジの妄想なんじゃないかとまで思ってしまうね。
ヒーローになりたいけどなれない少年が、頭の中で自分に都合のいいストーリーを作り上げていくという頭の中で繰り広げられる話。それがそもそもエヴァやん！っていうメタ構造やわ。
破まで見てもいまいち人類補完計画とか、エヴァ自体の秘密などわかんないところたくさんあるので、それらの感想はQのところに書きます。
