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ヒメアノ〜ルのlazuliのレビュー・感想・評価

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
4.0
三連続の邦画!珍しい!邦画もいいいよね。
2016年の邦画を盛り上げてくれた作品の一つですね、と2017年に言っちゃう🌞

まず前半は結構ほのぼのとしたムロと岳くんのしょーもない色恋沙汰が続く。二人の会話がなかなか面白くてくすっときたり。ムロさんは面白いって認めたくないけど面白いんですよね。女の子もとても可愛いビッチですし、良きです。

そんなフツー、で退屈で平和な日常に森田剛くん演じる森田が登場します。そしてその平穏は急に壊されます。
森田くんのサイコパスっぷりは凄まじいんですが、森田くんの過去がわかっていく内に森田くんを見つめる目は変わるでしょう。彼が悪いことをしていることには変わりないのですが、彼をそうさせてしまったのは今の退屈で普通の日常から起こる殺人と匹敵するほどの酷く残酷なことなのです。罪の重さとかを秤にかけるのはおかしいけど。でも、それによって彼のすることを許すのは間違っているし、でも情けをかけなければ胸糞だし……みたいなモヤモヤとした感情に包まれます。本当に悪いのは誰なのか、それを決められないから目を逸らしたくなる。決める資格なんてないけどね。

その日常と非日常の対比によってさらに森田くんの狂気が恐ろしいものに見えるし、でも悲しいし切ないしやるせない、ムロのムロがムロられるところとかでは笑わされ、もうなんだかあらゆる感情がフル稼働させられて疲れたね!
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