マッシモ

グランド・ジョーのマッシモのレビュー・感想・評価

グランド・ジョー(2013年製作の映画)
3.5
ニコラス・ケイジ主演のアメリカ南部の貧困層の現実を描いた一本

ストーリー
ジョー(ニコラス・ケイジ)はアメリカ南部の黒人労働者を集めて木に毒を盛る違法な仕事(木をわざと枯れさせて大企業が伐採できるよにするための違法な下請け)をしていた。ある日、仕事場にゲイリー(タイ・シュリダン)という15歳の少年が現れて仕事をさせてほしいと懇願する。ジョーはこれを受け入れて彼を仕事をさせる。話を聞けば彼は飲んだくれで自分の娘を30$小汚いおっさんに売春させて金を稼ごうとしているおよそ人間の中でも最低最悪の部類の父親(ゲイリー・ポールター)のかわりに必死に母と妹を食べさせて行こうと仕事を求めていた。事情を知ったジョーは彼を本格的に雇うことにし、父親にも仕事をさせるのだが、このドクズ親父は全く仕事をせずみんなの水を勝手に飲んでフラフラ歩いてはタバコを吹かして仕事をサボるので一日でクビになってしまう…。

総評
クリント・イーストウッドのグラントリノ的なオチに向かっていくのかと思ったらそこまでジョーは聖人キャラじゃないなってことに途中から気づき始めました。擬似的な親子愛からジョーが自己犠牲を払うようなストーリーテリングはジョーが警官をボコボコにした時点で消えました。こいつもヤベー奴だ。対ゲイリーには優しい振る舞いをしますがそれ以外にはなんでしょう異常なまでの破滅思考で突進していきます。すべては彼自身もレッドネック(アメリカ南部の肉体労働者)の一部であり抜けられる貧困の中で戦っている生身の人間だからだと描いているのかも知れません。
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