パグレ

セルフレス/覚醒した記憶のパグレのレビュー・感想・評価

セルフレス/覚醒した記憶(2015年製作の映画)
3.1
あらすじには
「NYを支配した頭脳×特殊な戦闘能力を持つ肉=<最終兵器>」
とか書いてあるけど、この映画を表すフレーズとしては全くふさわしくありません。
このフレーズだけを見ると、ジェームズ・ボンドやミッションインポッシブル、ジェイソン・ボーンを連想してしまいそうだけれど
超人的な頭脳戦や戦闘が繰り広げられるというよりは、ヒューマンドラマの比重が大きかった。

ざっくり言うと、ダミアンという名の超絶金持ちが法律なんて置き去りにした極秘の最先端技術を使って、若くして亡くなったマークという男の肉体に意識を移し替える話・・・なわけですが
マークの記憶が断片的に、しかし鮮明に残っていたりして、ダミアンは少しずつ「自分」を見失っていくわけです

フラッシュバックのように脳裏をよぎる少女が、自分の知っている人物だという強烈な確信
それどころか、その少女が病気を抱えているということまで理解できてしまう
ダミアンが生き返ったとも言えるしマークが生き返ったとも言える奇妙な状態だ


仕事で大成功を収めた大富豪ダミアンは、仕事優先で家庭をかえりみなかった。娘からは「何でも小切手で解決しようとする男」と言われ、深い溝を残したまま死に別れた

そんなダミアンが、マークの身体で生き返り、マークの記憶を共有し、マークが大切にしていたものを守ろうとする

人格というか意識の主格はあくまでマークではなくダミアンだけれど、マークの記憶に影響されてダミアンの意識も少しずつ変わっていく
娘との間にある溝は結局死ぬまで埋めることが出来なかったけれど、死んでから埋めることだって出来るはずだ

NYを支配した頭脳とか、特殊な戦闘技術とか、そんなの関係ないね
この作品はヒューマンドラマだ
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