yuta

二ツ星の料理人のyutaのレビュー・感想・評価

二ツ星の料理人(2015年製作の映画)
3.7
ブラッドリー・クーパーの作品は当たり率が高いイメージが個人的にはあるのだが、この作品もハズれなかった。
問題を抱えた元ミシュランシェフの再起と、内容自体は非常に魅力的で終始良い展開だったとは思うが、アダムの癖のある感じが最後まで100%好きにはなれない。ミシュランを獲るくらいのシェフだから桁違いの完璧主義なのは理解できるけど、自分と全く同じ基準を他人にも要求してくる感じは、一緒に働いていたら疲れる現実ではお目にかかりたくないタイプ。
他人を信用しないを拗らせ、周りにいる全ての人間が自分を陥れる脅威のように認識していたアダムが、トニーやエレーヌを始めとした自分以外の誰かに何かを任せる或いは助けを借りて一緒に取り組むようになる変化があった。如何なることも全て1人で完璧にできれば世話は無いが、そんな人間はこの世に存在しないはず。自分で多くのことができる人間は強い人間であると同時に、必要な時に誰かを頼る事のできる人間もまた強さの一つだと感じた。
アダム達が料理しているシーンの撮り方が上手で、料理している手元と食材が映りながらも厨房としての動きもあって刺さるシーンだった。
yuta

yuta