EditingTellUs

二ツ星の料理人のEditingTellUsのレビュー・感想・評価

二ツ星の料理人(2015年製作の映画)
3.3
February 28th

Bradley Cooper監督作品。
好きな人は好きだと思うし、日本人にはとてもあっているドラマ!でも、傑作かと言われると、気になるとこもある。

1時間41分という長さは、かなり魅力的な長さで、こういう作品を見るときはワクワクする。ドラマをこの時間で描くってなったら、2時間のものをどうにかして15分から30分短くして、この長さになると思うのだが、どこを削るのかっていうのが毎回楽しみにして見ている。
今作は、主人公Adamのバックグラウンドを根こそぎ省きましたね。なかなかチャレンジングなところだけど、世界的に知れ渡っているミシュランというブランドと、フランス料理というブランドを設定に入れることで、全く混乱を招くことなくストーリーの核に入れていたと思う。バックグラウンドを伝える方法としては、周りの人たちとの会話で、これまでの彼の実情が語られるという方法。

ストーリーで気になったところは、設定、問題、動機とかは問題なかったんだが、葛藤からの解決が、薄かったのかなという印象。彼が抱える問題は、一般的な飲酒問題から、ドラッグとかキレやすいとか、そういうところから始まるのだが、それを乗り越える過程で、Adamが何か努力をしたかというと、何もしていない。自分にないものをちょっとずつ受け入れていくことで、自分の問題を解決したことになっている。だから、クライマックスのところで、はい予想通りってなってしまいました。彼自身が、何かと戦い、何かを得て、その途中で誰かの手を借りたりするのかもしれないが、最後に一つの山を踏ん張って超える必要があったんじゃないかな。

あとは、編集ですが、どうにもテンポが合わなかった。料理のシーンなんかは、あの忙しさをモンタージュ形式で表現するのは鉄板。それ以外の、大きなシーンの波、それぞれのカットのテンポが、自分が思うより数フレームだけ短いのかなと思いました。これも、この時間で収めなきゃいけないというプレッシャーがそうさせたのかもしれないですね。Adamがひとりで悩むシーン、だれかがそっと手を差し伸べるシーン、そこでもうちょっと粘って、少し視聴者を裏切らなければいけない。

なんかすごいメンバー沢山出てましたけど、なんか現代の映画情勢を体現したような作品でしたね。配給は...The Weinstein Company... 最近話題のっすね。
こんなスキャンダルで映画界の勢いを止めるのだけはやだなーって思います。
EditingTellUs

EditingTellUs