似太郎

ウイークエンドの似太郎のレビュー・感想・評価

ウイークエンド(1967年製作の映画)
3.8
正直、ゴダールの映画は時たま「そりゃないだろう😵」みたいな帰結に陥るパターンも多く、やはり監督自身が勢いに任せて撮ってる感じがありイマイチ計算と信念が足らない。

冒頭の字幕のインサートからしてすでに気取ってる感じでムンムンなのがちょっと観ていて恥ずかしい。いきなりバタイユの『眼球譚』を引用する辺りも含めて作風がどうも若気の至りというか、青臭過ぎる。10代後半か20代の人なら興奮する映画だとは思うが、いま観るとちょっとなー。

徹底した権威批判&アメリカ批判もここまでくると連合赤軍…というかカルト宗教っぽく感じるのは私だけだろうか?😰
完全にパヨッてる感じがどこか深作欣二の晩年の『バトル・ロワイアル2』に似ている。権威を批判してる割には実際ゴダール自身が権威主義者だったりするのでそこはやはりスターリン的、金日成的な存在と言わざるを得ない。

ただ、映画全体を通してジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』やヒップホップみたいな「引用の嵐」をやってのける点はさすがだと思う。あらゆる映画技法を駆使して絵画、詩、文学、演劇、哲学思想のミックスを行う辺りはまさにゴダール様様。ヲタの記憶装置みたいな雰囲気が全編に渡って凄くある作品。

好きか嫌いか、で言えば断然嫌いなタイプの映画だが。🤷‍♂️
似太郎

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