紅茶

ウイークエンドの紅茶のレビュー・感想・評価

ウイークエンド(1967年製作の映画)
4.0
・バタイユの眼球譚、戦争のオマージュ???

・序盤、猫のミルク皿に尻をつける、尻に卵を入れられる
 終盤、謎の人たちに生卵を割られて背中や股に落とされる。卵を使った儀式? 御遊び? をしている
 →バタイユの眼球譚のオマージュ

・始終、不穏で危険。。。

・性格的にも思想的にもヤバイ人ばかりでてくる、男女問わず血の気が盛んだし、常に気が立っているし、俺は神の子だって言い張ったり(実際にいそう)、田舎風の貴族?の恰好をした男性がルソーの社会契約論を叫んだり、急に演劇?を始めたり

・まじで全員の運転が危なっかしい怖い、スピードバンバン出して、なんかあったらみんな全部他人のせいにしてる

・渋滞の中、大概がイライラしてクラクションを鳴らしたり、前の車と揉めている中、車から降りてチェスのようなボードゲームをしている老夫婦が印象的だった、なるようになるさ、というポジティブさが良かった

・ヒロインとその相手は中流階級の上品な身形をしているけれど、中身はチンピラと変わらない、そんな人たちが沢山出てくる

・ゴダールの今まで観てきた映画って犬がちょこちょこ映ってる、そもそも昔はその辺に沢山いたのかな?

・30秒くらいだけど歌いながら揉めたり、ミュージカル映画の要素を全然違うベクトルへ持っていっている

・中盤から、なにかとオフコー!(助けて!)とよく叫ぶ。。。

・何台もの車が衝突したり、燃えたり、人がゴロゴロ倒れているシーンがあちこちにあって、それだけで不穏
 なんか戦争を思わせる。。。

・フワフワと思想めいたことばかり語る不思議の国のアリスを彷彿させる女に、男性が「オワンヴィルの方角はどっちだ?」と怒りながら詰め寄る
 清潔・潔癖・形而上のような血も汗も無い非現実的なアンリアルと、汗や血の匂いが混ざったリアリティの境界線が突如消失して、ゴチャっと混ざる嫌な感じ

・「木曜休みが4日ある週」(LA SEMAINE DES 4 JEUDIS)
 →DeepLで訳したら「第4木曜日」だった

・ヒロインがワンピースから暖かそうな服に着替えている、男性も上着を羽織っている、転がっている死体から奪った…?

・銃や銃声のシーンが終始出てくる

・変な人たちに暴力で突然拘束されるの、戦争や植民地と一緒だ

・ゴダールの映画って、序盤はいつも「???」って感じだけど、すぐゴダールの世界観に染まっていき、それを私はまじまじと眺めてしまう
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