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モヒカン故郷に帰るのはのレビュー・感想・評価

モヒカン故郷に帰る(2016年製作の映画)
3.6
爆睡する彼女の眉間をのばすライブ帰り、古着のSLAYERのバンドT、キレッキレのモヒカン、ヤザワ信者の親父のまっ白いスーツ、矢沢永吉のポスターだらけのちいさくて薄暗い酒屋、病院の屋上から指揮するユッルユルの放課後吹奏楽、厳島神社モチーフの宮島って書かれたTシャツ、ボッサボサのモヒカン、フェリーで宅配依頼したあげく猛レースするピザデリバリーとの熱い抱擁、カープの優勝、バンドメンバー宛に近況をつづる絵葉書、ツーブロックみたいなセンター分け状態のモヒカン、嵐の結婚式。

何にも起きなそうで何にも起きなくて、鑑賞後すべての時間が愛おしく感じる。

でてくる人みんなただの普通の人間で最高なんだけどやっぱり柄本明がすごい。矢沢永吉への憧れを中学生にまで押し付ける大人気なさ、ダメ息子を叱咤する親父らしさ、ダメ息子に介護される不甲斐なさ、死期を冷静に悟るいさぎよさ、痴呆。全部どうしようなく人間らしくて愛おしい。
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