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雨にゆれる女のbluemercenaryのレビュー・感想・評価

雨にゆれる女(2015年製作の映画)
3.7
偽名と偽装で働く男。――― 当然、隠したい過去があるから。
他者を極力拒絶する暮し ――― そこには過去に絡んでの絶望、諦念が見え隠れしている。

同僚下田が一人の女を連れてきた ――― 「一晩でいいから預かってくれ」 ――― 渋々の承諾。
下田が窃盗で捕まり、行く当てのない女理美との暮らし ――― 理美もまた、過去を話さない。
ふとしたことから始まった邂逅、それは思わぬ方向に向かっていく。

雨の質感が湿っているのは当然だし、官能的に扱われるのもよく有る事。
だけど、この作品ではここが際立って良かった。
音楽と映像のトーンが本当に良かった。
アジア的なハードボイルドと云うか、ノワールテイストな感じが心地よかった。
10年経って観ても、この感想、感覚は変わらないと思う。
こういう作品は大好き。
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