ハードボイルドという男のロマンにいまいちピンとこず、その語意も掴めずにいた頃に出会したのが、饒舌でスケベなそれもハードボイルドと謳われる──冴羽獠、その男なのであった。
再放送世代。虚構の東京シティーにノスタルジー入り混じった憧憬は抱かれ、閉塞した現実は拡張されていくようで。
青色の流れる掲示板に"XYZ"とつぶやくような──眠れぬ夜を、こんな無頼な男に何度救われたことだろうか。
「信じるってのはいいことだ。信じることから何かが生まれる」
たった一言、急にマジな目をして語る言葉に心癒されるのだ。今宵もまた。久々の再会も、そのハードボイルドは温かかった。