2MOさんの映画レビュー・感想・評価

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映画(756)
ドラマ(61)

甲鉄城のカバネリ 海門決戦(2019年製作の映画)

3.2

『進撃の巨人』の雛形より、巨人をゾンビの群れに置き換え、“壁”に囲まれた人類の戦いを描くダークファンタジー。

そのグロテスクは、現代的な、あるいは普遍的な人類の愚かしさ──無理解、拒絶、疑心、戦争、
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ランペイジ 巨獣大乱闘(2018年製作の映画)

3.3

それでも人は救うに値するか……という葛藤を人知れず乗り越え、命をかけて戦う“漢”たちの熱き友情に心打たれる。

今や稀代のアクションスターとして、ハリウッドの世界においてもその王座に君臨するロック様─
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ふりむけば愛(1978年製作の映画)

3.9

アメリカという遠い異国の地を。
古き良き昭和ノスタルジーを。
そして、母の過ごした青春の日々を──。
知り得るはずのない郷愁に憧憬が、映画を通してこの胸にあふれる。

ニューシネマの傑作『卒業』より十
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

3.6

懐かしさにはいつも切なさが混じる。
すでに遠く過ぎ去りし日々の思い出。その記憶も少しずつ色褪せ、いつかは消えてしまうのだろう風景は儚く、ゆえに美しい。

時は流れゆく。出会いはいつかの別れを意味する。
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トレイン・ミッション(2018年製作の映画)

3.5

平穏を切り裂く悲劇の往来。
またしても、不条理な運命に翻弄されるリーアム・ニーソンの戸惑い、怒りの暴発、そして逆襲へと向かう──その憂いを帯びた瞳には、どうしたって虚実重なる喪失の痛みを感じざるを得な
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サスペリア(2018年製作の映画)

4.0

耳に纏わりつく声にならない声は、少女の“溜め息”か、ケモノの咆哮か。やがて断末魔の叫びと深紅の地獄絵図に血塗られるまでの、不穏に漂う音楽のような。神か悪魔を呼び出す呪文、あるいは“母”への祈りのような>>続きを読む

移動都市/モータル・エンジン(2018年製作の映画)

2.9

ピーター・ジャクソン製作、その愛弟子が監督を務めるSFファンタジーとあれば、世界基準のVFXばかりに目は奪われがちになるところ。原作小説がイギリス人作家の手によるものと知って、やっと、パッチワークなレ>>続きを読む

ゾンビ・サファリパーク(2015年製作の映画)

2.8

仕事だから命令だから、それが社会経済的な秩序だからなどと、組織の論理を盾に己の非道を正当化してはばからない人でなしが、めでたくゾンビに食い殺される──一方で、憐みの心に人間性を守り抜かんと、ゾンビの群>>続きを読む

インスタント・ファミリー ~本当の家族見つけました~(2018年製作の映画)

4.4

「愛はとまらない」

そのイントロが流れ出した途端に感情の高ぶりは抑えられない。もはや映画挿入歌として定番の風格すら漂うスターシップの名曲。
ある時は恋人たちの夜のドライブを盛り上げ(『マネキン』)、
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パディントン 2(2017年製作の映画)

3.8

前作からイギリス社会を反映した寓意は薄れ──すでに排外思想を乗り越えた隣人たちとの共生は実現され──よりファミリー映画然としたユートピア的世界観に、スケールアップしたアクションとスラップスティックなギ>>続きを読む

ブッシュウィック-武装都市-(2017年製作の映画)

2.8

ちょっと、冒頭の、ほんのちょっとだけ、『クローバーフィールド』の再来を期待したりもしたけれど……。

1カット長回しが唯一の売りであるにもかかわらず、ヘタな仕切り直しの度に臨場感は薄れ、リアルタイムよ
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ジュピターズ・ムーン(2017年製作の映画)

3.3

冒頭より、5分を超える長回しアクションを切断する数発の銃弾が、“エウロパ”を題する現代の寓話をにわかに浮上させる。

文字通り、空高く浮上する身体──。
まるで『トゥモロー・ワールド』のイミテーション
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アルカディア(2017年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

類するならば、M・ナイト・シャマラン『スプリット』級の衝撃!

さすが、あっぱれ。我が偏愛映画『モンスター 変身する美女』の監督コンビ。ワンアイデアのジャンルムービー界隈において、彼らはそんなお約束か
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フリー・ファイヤー(2016年製作の映画)

3.4

どうしたってタランティーノの『レザボア・ドッグス』を彷彿とさせる。一体どれだけの銃弾が飛び交い、どれだけのうめき声と無駄口が叩かれたか。命のやり取りをブラックコメディに描く噴飯ものの、ましてや小粋な〈>>続きを読む

セブン・シスターズ(2017年製作の映画)

3.3

人生最後の言葉が
「愛してる」
だったならば。
それが真実。
真実が僕を裏切ったとしても
それだけが生きた証──。

「終末時計」も人類滅亡のカウントダウンを残り100秒に設定するような、空想と現実が
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スティーヴン・キング 痩せゆく男(1996年製作の映画)

3.3

痩せこけた身体でいえば『マシニスト』のクリスチャン・ベイル。“ジプシーの呪い”といえばサム・ライミの『スペル』を思い浮かべたりもするが……濃霧より浮かび上がるトム・ホランドフィルムの文字にニヤリ。これ>>続きを読む

イベント・ホライゾン(1997年製作の映画)

3.3

未知なる宇宙の探索は、内宇宙へと闇を映し返す。
惑星ソラリス的パラノイアの軌道をなぞりながら、そこは悪名高きポール・W・S・アンダーソン印の、浅薄なB級アクションホラーが仕立てられる。
ただし、ある種
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未来よ こんにちは(2016年製作の映画)

4.0

木漏れ日の中を赤いワンピースの彼女は少女の面影を残しながら、青白い月明かりの下には確かに小柄な中年女性のシルエットを浮かばせながら。赤子を抱くその後姿に母の背中を見せたかと思えば、暖炉の灯に女の横顔を>>続きを読む

ネッド・ライフル(2014年製作の映画)

3.6

「ヘンリー・フール・トリロジー」第3作。サイモン・グリムからフェイ・グリムへ、そしてネッド・グリムへと受け継がれた“サーガ”、つまりは囚われのエディプス・コンプレックスにけりをつける最終編。

ヘンリ
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フェイ・グリム(2006年製作の映画)

3.7

ファーストカットよりすでに傾いたままのカメラに覗き込む、斜めの世界。

世界の複雑性を飛び越えて、愛が、世界の真実にたどり着けてしまう物語の甘いささやき。
虚構にでっちあげられた陰謀論的世界観が、世界
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Rip Up the Road(原題)(2019年製作の映画)

3.6

たった3分の刹那に永遠の夢を見る。その瞬間、人生の全てに触れたような恍惚に包まれ、死んでしまってさえ構わないと思う。幸せすぎて。

そんな音楽の魔法を知ってしまったあの頃に、夢中になって聴き漁ったバン
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パワーレンジャー(2017年製作の映画)

3.7

特撮スーパー戦隊の仮面を被った、青春学園ムービーか。これまた『ブレックファスト・クラブ』リバイバル群の一つ。

“補習授業”に集められた出会うはずのなかった者たちが、その交流によって偽らざる自分を知り
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ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017年製作の映画)

3.9

ボードゲームからビデオゲームへ装いを新たに、拡張現実から仮想現実への進化はむべなるかな虚構性を高める『ジュマンジ』最新アップデート版。
現実をファンタジーが侵食する得体の知れない恐怖を幼心に植え付けた
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

働けど働けどなお我が暮らし楽にならざり──。

それは現代のお話。どこか遠い国の誰かを他人事のように憂いてばかりもいられるはずはなく、我が事に差し迫って刮目すべき家族の肖像である。

フランチャイズと
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.8

合理化の号令のもとに、人を人とも思わない、非人間的なシステムが世界中を覆い尽くさんとしている。

老境のケン・ローチが引退表明を撤回してまでも作らねばならず、カンヌがパルムドールを与えざるを得なかった
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ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

4.4

めくるめくワンダー。
摩訶不思議アドベンチャー。
未知への想像は、時空を超えたスペースファンタジーへの夢を広げる。

『フィフス・エレメント』の再構築。まるで『スター・ウォーズ』的世界観。それもそのは
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皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015年製作の映画)

3.7

愛なき力はただの暴力。目を覆うばかりのグロテスク。それは、闇に紛れた野蛮な秩序が可視化されたに過ぎない光景。厳然として存在し、我々自身にも内在し、誰もが傷つき傷つけ合う人間の本質が戯画化されて浮かび上>>続きを読む

ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

3.6

風をとらえて、カイトは空へと舞い上がる。
風をとらえて、ヨットは荒波をかき分けて進む。

冷たい風が頬をかすめる。
風の愛撫が涙をぬぐう。

幼き心を運ぶ風。
優しくあるように。逞しくあるように。

フォー・クリスマス(2008年製作の映画)

3.4

「愛とは決して後悔しないこと」
という名訳の本来の台詞は、
"Love means never having to say you're sorry." 
愛は、ごめんなさいを必要としない。

それは
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ニア・ダーク/月夜の出来事(1987年製作の映画)

3.8

西部劇とヴァンパイアムービーのフュージョン。カントリーを打ち消すエレクトロニック・ロックの不穏。“夜を聞いた”ような、エレキやシンセサイザーの音像が町を揺らめく。怪奇映画に正統な夜の陰影。目がくらむほ>>続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

4.3

"FORCE"を"HOPE"と読み替えた『ローグ・ワン』を踏まえて、その再定義を確固たるものにすべくカノンに訪れた分断のとき。新旧の接合を図り、“新たなる希望”を見事に引き継いだかに見えたエピソード7>>続きを読む

ソフィー・マルソーの 愛人日記(1991年製作の映画)

2.8

優雅なショパンの調べにのせて、ひたすらに空転する絵画的な、演劇的なカオスが眠気を誘う。芸術という名の愛か退廃か。狂信者たちの、まるで野獣の咆哮がまどろみの中に……そよ風に揺られるように……閉じた瞼の向>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

-

「人生が物語(ロマン)と違うだなんて、悲しいわ」

彼女に恋をして、映画に恋をした。
アンナ・カリーナへのゴダールの眼差しを借りて、叶わぬ愛の変遷を辿る。叶わぬ愛の思い出を投影する。映画と共にある人生
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パラダイム(1987年製作の映画)

3.1

知恵を有することで安寧を捨て、自由を手にした人の道には、絶えず“不都合な真実”が横たわる。宇宙という闇に包まれたこの星で、あるいは夜の闇が世界を覆う時の中で、人は本来的に邪悪を有する生き物であるという>>続きを読む

いちご白書(1970年製作の映画)

3.4

セックス、ドラッグ、ロックンロール……フラワー・ムーブメントに極まれる恍惚の誘い。“いちご”のように甘く、打ち上げ花火のようにド派手に、そして儚く散る、一夜の夢のように。まるで終わらない学園祭、モラト>>続きを読む

ヘンリー・フール(1997年製作の映画)

3.3

フィロソフィー。それはポエティックス、それはポリティクス。あるいはポルノグラフィー。ペテンの言葉遊び。取るに足らない平凡の悦楽。

美しい言葉と音楽の韻律が、悪魔のささやきのごとく、愚かな正直者たちを
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