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AMY エイミーのmmkのレビュー・感想・評価

AMY エイミー(2015年製作の映画)
4.5
彼女は真のジャズシンガーだったことを知りました。歌も音楽も、そして生き方も。
豊かな才能は息の長い人生には収まることが出来ないようにできているのだろうか、彼女の生き方は、ビリーホリディ、チャーリーパーカーなど、伝説的名声を残して太くて短い人生を終えたジャズメン達の姿そのもののように思えました。

彼女が生きていたら次はどんな作品ができていたのだろうかとその才能を惜しく思うと同時に悲しくなりました。なぜかというと、彼女のその悲劇的な人生だったからこそのあの天性の歌声だったことは否めないからです。
彼女の人生の悲劇は子供時代に起因していたのは明らかでしたが、そのポッカリ空いた穴を埋めるように音楽にのめり込んでいった結果がきっとあれなのでしょう。
もし、少しでも何かが違っていたら彼女は息長くロンドンの小さなバーで歌い続けることが出来ていたのかもしれないが、一方で世界があの類稀なる才能を目撃する事が出来なかったかもしれない。

彼女自身が弱かった。それは確かにそうではありますが、彼女の周囲の人間も弱かったし、彼女に真の意味で向き合おうとしなかった。腹立つ奴は何人も出てきましたが個人的に一番腹が立ったのは母親です。「叱れるほど私は強くなかった」みたいな事言ってましたが、同性として凄く軽蔑しました。逃げてるだけじゃん、子供に向きあえよ、ふざけんな、甘えんな。
彼女自身に人生の舵取りが出来なくなっている状態で、適切にガイドしてくれる人間に然るべきタイミングで出会えなかったのが彼女の一番の不幸だと思いました。

大いなる才能は守られなければいけない。彼女みたいな悲劇を決して繰り返してはならない、世界中が教訓にすべきです。

R.I.P Amy, you are the absolute JAZZ singer!!


P.S.
なんと鑑賞したこの日がエイミーの命日だったそうです。(7/23)
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