KUBO

ブレンダンとケルズの秘密のKUBOのレビュー・感想・評価

ブレンダンとケルズの秘密(2009年製作の映画)
3.8
カートゥーン・サルーンの作品を『ウルフ・ウォーカー』から順に遡っての鑑賞。

アイルランドの国宝「ケルズの書」完成までを描いた、2009年制作のケルト3部作最初の作品。

高い壁に囲まれた町で暮らすブレンダンは、厳しいおじさんの言いつけを守って、外の世界を見たことがない。この高い壁に囲まれたビジュアル、外の世界を知らない子供たち、という設定が『進撃の巨人』のよう。

初めて森の中に足を踏み入れ出会う、獣の姿に変身できるアシュリンは『ウルフ・ウォーカー』の原型か? 森は人ではない精霊が住むところ、という設定がカートゥーン・サルーンらしい。

森の夜を支配するクロム。「その名前を言わないで!」とアシュリンが叫ぶ。ハリーポッターにも「名前を呼んではいけないあの人」とかいう表現が出てきたけど、感覚的には共通するのかな?

ビジュアル的には遡ってるんで、当然近作の方が良いに決まってるんだが、円や四角形などシンプルを追求したキャラクターデザイン、複雑な鞭毛のような曲線で描かれる緑豊かな森の中、まるで曼荼羅のようなきらびやかな書物の絵などなど、後に更に素晴らしいものになっていくカートゥーン・サルーンらしいアートの原型が見ることができる。

これでケルト3部作+『ブレッドウィナー』と日本で公開されたものはみんな見た。来年 Netflix で配信される予定の ”My Father's Dragon” も楽しみだなぁ。
KUBO

KUBO