アイルランド文化が切り絵調なカラフルの目まぐるしい世界観のなかで伝説が語られていく。幾何学的な模様と幻想的な風景はモアモア浮かび上がってて綺麗。壮大な神話を被せながらも自然の具現化によってビジュアルトリップできる。場面転換でも芸術性溢れるシーンの繰り返しにより物語に厚みを与えていた。個人的には「ソングオブザシー」より好きな作品だ。
ヨーロピアンジャズの音色とアイリッシュの文化を掛け合わせているのも深みを感じさせるものだった。哀愁漂う音楽の素晴らしさが体現されている。史実や哲学など多少の知識を要する箇所もあるが題材の浮世離れしたファンタジー感と登場キャラたちが交わす地続きの会話劇によって単に壮大だけではない闇を追い払うような神話が着実に描き込まれていた。
