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ラ・ラ・ランドのカブのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.5
なんとなく6年ぶりに鑑賞。
前に見た時とは、状況や仕事も違う中、感じ方も少し変わってた。夢を追うことの素敵さと、自分に最も影響をくれた人への想いに共感するところは変わらなかった。

ただ、「自分が思い描いていたことを実現する難しさ」は今回初めて共感できた。
それは、夢だと思っていたことに進んでいくなかで気づいていく自分の「向き不向き」だったり、自分ではどうすることも出来ない「タイミング」だったり。
それでもこの映画では、最後にはそれぞれが夢を叶えるのだから色んな想いはあれど、ハッピーエンドと言える。

が、今回、1番響いたのは鑑賞後。
調べてみると監督のデミアン・チャゼルは、セッションの監督。夢をテーマにした映画を描きたいのだと思う。
そんな本人は、元々ドラマー志望だったが才能に限界を感じ、映画の世界へ入ったらしい。

そんなデミアン・チャゼルは、この映画をどんな気持ちで撮ったのだろう。
この映画も単純に観れば、夢に向かって頑張って、叶ってハッピーエンド、なのかもしれないが、
自身が夢の形を変え、ある種の挫折をした監督の作品として観ると、
夢をそのまま叶えた人たちだけでなく、夢に破れたり、悩む人たちまで応援してくれる作品にすらなっていると感じた。
なぜなら、この監督は形を変えた夢でこれだけ多くの人に感動を与えたから。

バックグラウンドまで知って観ると、この映画は傑作だと感じた。

またしばらくしたら、観たい映画になった。
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