ぬぬ

ラ・ラ・ランドのぬぬのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
5.0
先日の試写会にて鑑賞。

「ここまでやるか!」と言わんばかりの60〜70年代ミュージカル映画の再来。物語や映像技法はあえてアナログにしつつも、前作『セッション』で培った技術を応用して躍動感たっぷりのカメラワークで斬新さを生み出している。
様々な表情を見せるロサンゼルスの情景、そして衣装や照明のカラフルな美しさに注目してほしい傑作。 思わぬ所に人物の心情が描写されてたりしてるので。

この映画の一番良い所は、誰にでも共感できる要素が本編中に多々あり、どんな人が観ても楽しめる点。『セッション』のかなり偏っていた印象からは打破しているのもあって、中々お目にかかれない''手軽な傑作''なのは確か。

それでも『セッション』ほどの異常な中毒性は今の所ないものの、オープニングの職人芸的長回しや、エモーショナルなラストなど、ありとあらゆる記憶を思い返せば返すほどまた観たいと思わせる不思議な映画。結構ジワジワきます。

「ニューヨーク・ニューヨーク」「シェルブールの雨傘」「巴里のアメリカ人」「理由なき反抗」あたりを観ているとより楽しめるかと。しかし、あたかもこれらをリアルタイムで観て育ってきたかのように描く32歳のダミアン・チャゼルは若きバケモノ監督としか思えない。
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