いにょ

ラ・ラ・ランドのいにょのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.9
2017年23本目。

正直なところ、前評判での期待値が高くなり過ぎてたせいか期待してたほどはグッと来なかった。。。自分の期待も高過ぎたんだけど。

絶賛されているけど、正直なところを言うとストーリー自体はシンプルでよくありそうな既視感のある感じではある。テーマもありふれてる。セッションの方が斬新さはあって個人的には何度も見たくなる。

でもそういうありふれたものをあえて再構築してきた映画なんだと思う。既視感を感じながらも、ミアが偶然店を訪れるところからのラストシーンは涙が出そうになった。

現実と理想の狭間で傷付いて何かを無くしながら夢を追うという感覚はある程度歳を重ねた人間であれば誰しも少しは自分を重ねられる部分のあるもので、共感できる部分があると思う。

何かを選ぶときには、何かを犠牲にしなけければならないときもある。人生というのは渦中では気付かないような選択の連続でできていて、選択というのは何かを「選ばない」ことでもある。好もうが好むまいが一度行った選択に沿って前に進むしかない。

その過去の選ばなかった「もしも」の一握の白昼夢をこれでもかと言わんばかりの圧倒的なザ・ミュージカルで描くラストシーンは、言葉にできない色々な感情が入り混じる。

ありふれたテーマ、めちゃくちゃオーソドックスでありがちなストーリー、ミュージカル映画というこれまた使い古された手法、過去の作品へのオマージュ、なんだけど、これほどの評価を得ているのはそんな多くの人が持っている感情を刺激しているからじゃないだろうか。

夢を見るすべての人におすすめです。
いにょ

いにょ