シカメ

ラ・ラ・ランドのシカメのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.5
映画館の最前列で首を痛めながら鑑賞。とても良かった!

選んだものと、選ばなかったもの
手放したものと得たもの

過去も未来も一つしかないってことが身に染みる映画だった。
いわゆる「たられば」はいくらでも想像できるし、「たられば」の世界の中はいつだって魅力的。現状に満足していないときなら尚更ね。

でも、それは現状じゃない。
分かりきったことを元恋人の二人の姿を通して改めて突きつけられて、終盤は、体をぶすぶすと刺されているような感覚になった。自分は後悔が多い人間だから。

主人公の2人は、現在は満足した暮らしを送っているようだったけど、甘酸っぱい再会……とは簡単に言えない、愛と尊敬に満ちた再会を果たして、これからの人生にどんな影響を与えるのだろうか。

上映後の劇場内では、観客の高校生たちが「期待してたのにつまらなかった」「よく分からなかった」と口々につぶやいていたのを思い出す。私も今より10年若かったら、歌以外には何にも感じなかったかもしれない。

そして40歳、50歳になってから見たら、もっともった突き刺さる映画になるんだろうと思う。

蛇足だが
歌唱がかなり現代的に感じた。声を張らない、あの感じ。
唐突に歌い始めるミュージカル映画のあの感じ(個人的には好き)が苦手な人でも、入りやすいのではなかろうか。
シカメ

シカメ