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ラ・ラ・ランドのhaizaraのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.0
女優を目指すミアは、ひょんなことから同じくジャズバーを開くという夢を追うセブと、運命の出逢いをします

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私はミュージカルのような展開がそもそも苦手で、もうのっけから満面の笑顔で歌って踊ってが始まり、「あ、これあかんやつや…」と開演1分で覚悟を決めました笑

その後の展開も脈絡もなく歌うわ、踊るわ

もうヤメてヒロアカの最新話でも観ようかと思いました笑

エマ・ストーン先輩をそんな好きでないのも拍車をかけたかもしれません

顔がシワだらけで全く魅力的に感じませんでした

ゴズリング兄さんに至っては、サイコパスでも追っている刑事かのような険しい風貌で…またはスタントドライバーか何かでギャングをボコボコにしそうに見えます笑

これは最後までキャスティングミスに感じました笑

そんなこんなで、キャラは合わんし、既視感に溢れて抑揚のない平坦な物語は、気づくともう中〜終盤に差し掛かっていました

星2でいこうと思いました笑

そうしたら…どうでしょう

驚くことに、ミアの、傷つきやすいのにとても頑張り屋で、素朴で、時にイタいやつで、そんな時こそニカッと笑って、放って置けない可愛らしさは、とてもとても魅力的になっていました(^^)

ここまで来るとエマ・ストーンにしか演じることが出来なかった気もします

ゴズリングはやりたくもないポップミュージシャンとして駆け上がりながらも、表情はギャングをボコボコにしそうでした笑

そして驚愕の終盤で、そのよくありがちな青春の一遍、夢追い人達の挫折と成功の物語は、ラストのちょっとした仕掛けによって、鮮やかに、センチメンタルに回想されるわけですが、私は、かつての私の青臭くて柔らかくて一番敏感な部分を刺激されて、涙が溢れてしまいました

だって、日々なんてエマ達みたいに平坦なんですよ

そんな毎度抑揚なんてありません

穏やかな時間の中で、みんなありがちな出逢いをして、愛し合ったり、別れたり、ありがちな頑張りをして、挫折したり、諦めたり、成功したり、そんな普遍的な物語の集まりが人生でしょう

でも、それぞれが出逢った人、それぞれが生きた青春は、それぞれの特別な物語なんです

そして、その物語には当然、特別な後悔があり、特別な別れがあって、やっと、やっと、今があったりします

それはもう戻らないし、手に入らないし、やり直しがきかないし、チクショウって歯を食いしばって、ぎこちない笑顔を作って、何とかそれを消化して今を歩いていたりします

最後のシーンは二人以外の誰も真意を悟ることはありません

二人だけの特別です

その表情は哀しくも達観していて清々しく、一瞬を一緒に走り抜けた、恋人であり、友人であり、ライバルであり、家族であった、二人だけの特別を知っているからこそ、分かり合えるものだろうと感じました

この監督の終盤のカタルシスはすごいですね、天晴れです

次回作ではどんな感動をくれるでしょうか、楽しみです(^^)
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