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ラ・ラ・ランドのRingRingLoveのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.1
あの「セッション」を弱冠29歳にして撮ったデイミアン・チャゼル監督が32歳にしてこの「ラ・ラ・ランド」を撮ってしまった
この興奮を感動と呼ばずしてなんと表現するでしょう!

冒頭のハイウェイシーン、長回しの群舞からタイトルバックまでの流れが秀逸で、いきなり心臓を鷲掴みにされるような高揚をおぼえました
「雨に唄えば」「カサブランカ」「理由なき反抗」「ウエストサイド物語」「シェルブールの雨傘」…
全編にわたって過去の名作の数々へのリスペクトとオマージュもたっぷりと詰まって、また、監督のジャズに対する並々ならぬ思い入れも強く感じさせる古き良きアメリカへの憧憬を込めた作品だなと感じました

物語も、決して単なるサクセスストーリーなだけでは終わらず、観客自身の経験を呼びさまさせて感動に導く構成は非常に巧みだと思います
ラストシーンの余韻のうつくしさは筆舌に尽くしがたいほど
最後、ジャズに導かれるように主人公たちが足を踏み入れた先にあった店のロゴ
目にした瞬間こみ上げる嗚咽を止めることはできませんでした

最後の最後まで心を奪われるジャズやダンス
主演のエマ・ストーンとライアン・ゴズリングの歌も演技も素晴らしかった
日本ではミュージカル映画への理解はまだまだ低く、観る人によって評価の分かれる作品かもしれません
けれど、たとえ懐古趣味だと言われようと、今この時代にこんなにもエンターテインメントに徹した伝統的ミュージカル映画を撮ってくれたチャゼル監督に、最大限の拍手を送りたいです
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