きゅうの

インクレディブル・ファミリーのきゅうののネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

子供の頃、実家がwowowに入っていて、Mr.インクレディブルは定番で繰り返し放送され、家族がボブを助けるため島に辿り着くシーンからが凄く好きで(この家族に対する憧れや羨望があったんだと思う)、何度も観ていた。
14年越し…14年越しであのラストから始まるなんて…生きてて良かった。
あの頃はヴァイオレットの歳とほぼ同じで、同級生のような気持ちで観ていた。
それが今や、ヴァイオレットを子供のような気持ちで見ている。私はもうヘレンとボブ、イヴリンとウィンストンの方が近く、前作と今作のヴィランの心情も葛藤も一理ある、とすら感じる大人になってしまった。でも大人になってよかった。
また、14年も経ち家族の描き方や映画の表現方法がいまの感性にさり気なく?いや、計算され尽くして巧妙に?変わっているのも非常に興味深い。もしかしてこういうこともやりたかった故の続編だったのかな?
前作には今ではもうできないだろうと感じる描写がいくつかあるように感じる。自信を取り戻したボブが家で(許可なく)ヘレンの尻を触るシーン、ヘレンが自分のプロポーションを気にするシーン等。子供の私に「これは私向けに作られたシーンではない」と違和感を与えたので未だに記憶に焼き付いている。
実際に今作大活躍したヘレンがプロポーションを気にするシーンは一秒もなかった。尻も触ってなかった。良かった。
ヒーロー役にヘレンが抜擢された瞬間「で、でも…ほら…(分かるだろう!?)」と口ごもらせ、ボブには言わせないが、表情から隠されたセリフが残酷なほど伝わってくる。そして何故それが伝わってくるかというと、観てる私がそう感じているからだと気付かされた。ピクサーのテクニック…。
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