実話をベースに、きっと丁寧に作っているだろうから、大きな見せ場やアクションなどは全くないけれど、そのおかげで一人の迷子のインド人、彼の心の機微がジワジワと侵食してきた。
義理の両親と離れたことがトリガーになっていたのだなぁと思い、大人になって人生を見つめ直せるようになったサルーは解き放たれたように見えた。
静かな音楽、インドの貧困、孤児たちの扱い、養子縁組の陰陽が織り込まれ、サルーの半生に留まらず社会的な問題を投げかけている。
全てが完璧にはいかなかったけれど、再会の物語は涙無くして見れなかった。