このお話が実話だなんて。
オーストラリアの育ての親の気持ち、こどもがある日突然いなくなった生みの親の気持ち。
そして、迷子になってから25年間、幸せに暮らしていたサルーが、自分のルーツを探らずにはいられなくなった気持ち。
胸がえぐられる。
どんなに辛いことも、それら運命の途中の出来事で、決してマイナスではないって思う。
サルーもあんなに大変な思いを小さい頃に経験し、養子になってからは愛に包まれて育ち、本当だったら知らなくても生きていけた自分のルーツ。
でもそこに自分の気持ちはどんどん向いて、恋人や育ての両親や大学の勉強を投げ出してGoogle earthを使って、調べることに没頭し、自分自身も苦しみ続ける。
でも、自分のルーツを辿り探したことが、サルーの人生を大きく切り開いたんだろうな。
いまもインドでは毎年8万人子供達が行方不明になっているらしい。
サルーの育ての母が、子どもは作れたけど作れなかった、この世界にこどもを産んでなにか変わるの?、私たちは不運なこどもをふたり引き取って育てることを選んだというセリフ。
日本だけの問題でいえば少子化が深刻化しているけど、世界の規模で考えたら、こんな事実があるんだな。
本当にとてもいい映画でした。
サルー役のデーヴパテールが、映画の中で何度も表現されていたように美しくて、心惹かれました。