tiga

LION ライオン 25年目のただいまのtigaのレビュー・感想・評価

4.3
実話ということで、インドの子どもたちの現実を直視です。
この主人公の彼は、とても運が良かった。少年は迷子になるが、養子に出されてオーストラリアへ。豊かに育って故郷へ帰る、という物語。運が良いとしか思えない。ハッピーでしょう?!
うーん。そうだけど、、、事実そうなんだけど、、、そんな単純なものでは決してありませんでした。
時々見える生みの母や兄の面影。歳を重ねるごとに、それは心の奥深くに悲しく刻まれ深まり広がっていく。そしていつしか導かれるように生家を探し始めます。
題名にもあるように、結果見つけ出して帰るからこそ映画になったのでしょうが、もっと深いところで、彼をずっと守り、導いていた存在があったことに映画の終盤に気付かされます。
だからこそ、彼は、『すべてが分かったんだ』と、育ての母に話したのでしょう。その存在をはじめから、たしかにこの映画は描き出していました。
ラストシーンは涙無くして見れません。
tiga

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