MasahiroOhta

ウィークエンド・チャンピオン 〜モンテカルロ 1971〜のMasahiroOhtaのレビュー・感想・評価

4.5
71年F1モナコGPの、ジャッキー・スチュワートをフィーチャーしたドキュメンタリー。
最近全然F1を観てないんだけど、往年の(そして既に鬼籍に入った)ドライバーばかり登場してるところや、エンディングでポランスキーとスチュワートが当時と同じモンテカルロのホテルのスイートで対談してる内容や、もう観てて色々切なかった。

対談場面でも出てくる話だけど、スチュワートは「いかに安全にレースを行うか」ということを現役時代から今に至るまで考え続け、行動してる人なんだけど、
そういうことを対談の中で話せば話すほど「そういう改善によって当時のレースの良さや楽しさ(スリルやカタルシスなど)の一部が奪われていく」ということも感じてるんだろうなぁ…ということが伝わってくる。
「良い/悪い」の問題ではなく、そういった野蛮な、原初的なエンタテインメントの良さは危険と隣り合わせで、だからこそ楽しまれる「見世物」なのだろう。

とは言え、残念なことについ先日も十数年ぶりにドライバーが事故で亡くなっているし、ただでさえ安全性を突き詰める方向に進んでいる世の中的には、モータースポーツそのものの「前時代感」を否定する流れなんだろうなと思う。

そういった、色んな側面から伝わってくる「切なさ/やるせなさ」がサイコーだった。
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