米墨戦争において、差別を受けていたアイルランド移民の兵士達が軍を脱走。
その後、多くがメキシコ軍に加わり、聖パトリック大隊を結成してアメリカ軍と戦った。
その中心人物であるジョン・ライリーをメインに据えた史実を基にした映画。

ジョン・ライリー役は「山猫は眠らない」のトム・べレンジャー。
ライリーの恋敵役に「ワイルドスピードMEGA MAX」の悪役ヨアキム・デ・アルメイダ。

よく知らない映画だったのでB級映画的な感覚で観始めたら、意外としっかりとした戦争映画だった。
砲撃や爆破シーンは派手だし、軍服や小物もきちんとしてるので見応えはある。

ただ、おそらくフィクションと思われるラブストーリーが邪魔。
しかも変に三角関係みたいなのぶっ込んじゃうし…。
そんなん入れるくらいなら、部下達をもっとキャラ立ちさせて、それぞれのエピソードを充実させて欲しかった。

それが薄いもんだから、彼らの悲劇にイマイチ感情移入しづらい。
戦闘シーンも迫力はあるけど細切れ感があるのと、アメリカ軍やメキシコ軍、聖パトリック大隊の区別がつきづらいのが難点。

米墨戦争ってあまり映画とかになってないので、なんでかなーと思って調べたら、アメリカにとって汚点ともいえる侵略戦争らしい。
確かに映画のなかでも一部しっかりした軍人はいるものの、アイルランド人を迫害したり、処刑を無理矢理執行したりと悪役として描かれてる。
逆に聖パトリック大隊は今でもメキシコでは英雄視されているとか。
ちなみに聖パトリックはアイルランド人が多かったけど、色んな国の兵士で構成されていたそうな。

この映画のストーリーラインはかなり史実に沿ったものらしいけど、ジョン・ライリーのその後はよく分かってないという。
劇中のロマンスもやっぱフィクションの可能性高いとのこと。

この映画を観て、太平洋戦争での敗戦後もインドネシアに残ってインドネシア独立のために戦ったという残留日本兵のことを思い出した。