ちこり

二重生活のちこりのネタバレレビュー・内容・結末

二重生活(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

哲学科院生の女の子が、教授の勧めで論文を書く為に“理由無き尾行”をやってみるお話。

尾行を始めたせいで、対象に選んだ隣人のゴタゴタに巻き込まれて怒られたり、同棲中の彼から振られたり、散々な目に遭います。だがしかし、なんだかんだ尾行っていいもんだよ|・ω・*) で終わるという、なんじゃこりゃ感。

静かな雰囲気、綺麗な映像は好みなのですが、ストーリーそのものは始終、そらそうなるわ!と突っ込みたくなっちゃう。
出てくる人みんな繊細過ぎやろ!とか思っちゃいました。

感受性の強い女の子が尾行をしてみたら、対象に感情移入し過ぎて、主体が誰なのかよくわかんなくなっちゃったよー!というお話な気もする。

最後の画面には哲学的な言葉が映し出されて、主人公を演じた門脇麦ちゃんが振り返ってにこっと。
その言葉がなかなか(おぉ)って感じだったのに、もう忘れました。
確か………
私はあなたが私をどんな風に見ているのか知りません、ずっと知りません、的なフレーズです。(違っていたらごめんなさい)

何にせよ、長谷川博己です。
今作のちょっぴりゲスい長谷川博己もとてもよかったです。
不倫がバレて卑屈に自身を嘲笑するお金持ちの役なんですが。
自分から「なぜ俺を尾行したんだ?!」ってめっちゃ詰め寄った挙句、
「心の中にある空虚さがあなたを尾行することで満たされていくような気がしたんです…」とか答える繊細な麦ちゃんへの返しが、
「陳腐だな!」みたいな突っ込み。
笑いました。
いや、あんたのやってる諸々のほうが余ほど陳腐だよ!と私なら言い返すけど。
麦ちゃんはしくしく泣いておりました。

そして(ほほう、一見セレブなご家庭でも内情は色々あるのね!)と思った麦ちゃんは、“完璧に満たされた人なんて居ないんですよ”と…_φ(・_・ って感じで締め括っちゃうし。
それでいいのね!と思いもしましたが、ハラハラ尾行をする麦ちゃんは可愛くてよかったです。
こっちまでハラハラ。

教授役のリリーさんも超よかったです!
この人もすぐ死のうとするし、謎に繊細な役どころで、自殺うさぎの絵本みたいになってました。

菅田くんはちょっとしたことで「俺たちなんで一緒にいるのかな…」とか言い出す恋人役。
これは誰がやってもよかったかな!(今めちゃくちゃ人気あるけど、正直、私にはまだ良さがわからないのです…)

西田尚美さんも出ていて、好きな女優さんなので、アラ!ってなりました。
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