はじまりから30分くらいは
とにかく大好きとしかいいようのない演出とタッチであった。
しかし中盤から物語が展開していくにつれ
子供っぽすぎる理屈や理論を哲学とする登場人物にひどく腹が立って見ていられなかった。
これに共感する20オーバーの人間は
大人になれよとしか言いようがないと思う。
父性を求め、20も30も離れたオヤジに股を開き、心の穴を埋めようとするオンナ。
自分の人生に憤って、自らのオンナを所有物にしたがるオトコ。
歳を重ね、オンナとして終わったオバサンの最後の足掻き。
全てを持ち、愛では何も救えないと分かっているのにわざわざ愛に溺れようとするオトコ。
そんなオトコを死を持って自らの物にしておこうとするオンナ。
子供っぽい哲学で熟れたオンナを口説くオトコ。
先行き不安な生殖期ギリギリオンナの死を目前にしたオトコへの非情な同情。
もう全員イケすかない。そして救えない。
夢のようなオープニングと浮気相手のトイレでの判断だけが理性を保った現実的な対応でよかった。