るか

二重生活のるかのネタバレレビュー・内容・結末

二重生活(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

不思議な映画です。一度目は「登場人物の誰にも共感できない」と思い、3.6の評価でしたが、菅田将暉の甘やかな恋人像が印象的で再見。今度は、これはもっと深い話だったんだ、と感動しました。主人公の学生は「自分はどうしてここにいるんだろう、というもやもやした気持ち」を解決するために、一人の男を尾行して論文を書こうとする。そして次第に論文を書く行為に取り憑かれていく。それは大切な人を失っても止められない、彼女の中の生きる原動力を呼び覚ます…。門脇麦と菅田将暉の初々しさが印象的。リリーフランキーの不思議な存在感。いい映画だと思います。
「あなたは私をどう思っていたのか/私をどうしたかったのか/あなたにとって私は何だったのか/私は永遠に知らない」
理由なき尾行によって、他人の隠された生活を知り、暴き出し、自と他を同一化した結果、流れるエンドロール。
そのとおりだと思う。あなたが私をどう思っているのか、どうしたいのか、あなたにとって私は何なのか、私には永遠にわからない。
るか

るか