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二重生活のcherryのレビュー・感想・評価

二重生活(2016年製作の映画)
2.9
門脇麦演じる大学生が卒論の為に、教授から助言を受けて「理由なき尾行」をする物語。
ルールは決して対象者に接触しないこと。

哲学を学ぶ彼女が言う、人間が存在する意味とか、なぜ生きるのかという問題が大きすぎて、その答えが尾行に繋がるということが分からなくてそこが引っかかってしまい、あまり楽しく観れなかった。

でも門脇麦と菅田将暉の2人が会話をするシーンはすごく自然で、日常を切り取ったようでとても素敵だった。

あと観ていて、すごく不安定な映画だと思った。尾行をしている彼女の、そのまた後ろから見ているから緊張感があってそう感じるのかもしれないけど、この作品に出ている登場人物全員が不安定なんだと思った。でも門脇麦演じる珠がふわふわとしていて、一番不安定。

卒業を前に、自分の学んできた哲学を改めて見つめ直そうとする彼女の姿が、尾行というその目的でやっと輪郭をはっきりとさせているように見えた。
菅田将暉演じる卓也と話している時よりも、心が躍るように尾行をする姿がただただ悲しかった。
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