ぶみ

二重生活のぶみのレビュー・感想・評価

二重生活(2016年製作の映画)
3.0
小池真理子が上梓した同名小説を、岸善幸監督、脚本、門脇麦、長谷川博己、菅田将暉、リリー・フランキー等の共演により映像化したドラマ。
大学の修士論文のために、理由なき尾行を始める主人公の姿を描く。
フランキー演じる篠原教授に勧められるがままに、麦演じる大学院生が、近所の男性の尾行を始めることとなるが、観終わっても、正直その理由がよくわからないまま。
ただ、単純に尾行するという行為がもたらす緊張感は、なかなかのもので、そこで目撃することとなる不倫劇や、そこから家庭が崩壊していく様は、淡々と描かれながらもドキュメンタリーを見ているかのよう。
終盤、篠原教授の裏側も明かされていくこととなり、サスペンス色も強いが、しっかり伏線が張られているため、過不足なく回収された印象を受ける。
いずれにしても前述のように、結局尾行と哲学の繋がりが理解できず、タイトルである二重生活の意味もスッキリしないが、それを抜きにしても、サスペンス・ドラマとしてのツボは押さえられている一作。

あなたは私のことをどう思っていたのか。
私をどうしたかったのか。
あなたにとって私はなんだったのか。
私は永遠に知らない。
ぶみ

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