Kientopp552

ザ・アウトローのKientopp552のレビュー・感想・評価

ザ・アウトロー(2018年製作の映画)
2.5
本作の終盤の、路上での銃撃戦を観て、観た人はそうであろうが、マイケル・マン監督の『ヒート』(1995年作)を思い出し、両作のストーリーをもう一度なぞってみると、やはりそこに共通項があり、本作の脚本も書いているクリスチャン・グーデカスト監督の、これは「探偵」物語『ヒート』に対するオマージュであることが推察できる。

 しかし、如何せん、主役G.バトラーには、Al.パチーノが演じたLAPD強盗担当部警部補役の「人間性」を十分に出す時間が与えられておらず、ましてや、R.デ・ニーロが体現した、ジェントルマン・知能犯マコーリー役は、敵役レイのエリート兵士役とは比較できない。さすがは、171分の長丁場が誇れる探偵物語『ヒート』のメッセージ、つまり、犯罪者を追う刑事・警部は犯罪者同様の犯罪に対する「本能」を持っていなければ、犯罪者を追い詰めることは出来ないという知見は、映画史に残るものであろう。

 という訳で、オマージュされて、オマージュされた方が困惑するということが成り立つものであるが、本作、最後のどんでん返しの「スマートさ」にご容赦を願うということで、機会があれば、その時はご覧あれ。
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