端的に言えば、ガラの悪い「ヒート」。
というよりは、ただひたすらにガラの悪いいつものジェラルド・バトラーが暴れまわる映画でした。本作はスタッフが意識しているのかは不明ですが、実質的に「ヒート」のリメイクと考えていいと思います。随所に「ヒート」へのラブコールが込められていたように思います。「ヒート」が“静”なら本作は“動”といった趣でしょうか。
銃撃戦のシーンは本作も期待していたのですが、及第点ながら、やはり「ヒート」には遠く及んでいませんでした。まあ「ヒート」の銃撃戦が凄すぎるだけなのだと思います。本作を観て改めて実感しました。悲しいかな、2010年代も終わりに近づきつつある今では、もはや何処かで観た銃撃戦シーンに作り手も寄せてしまい、鑑賞側も意識的にそう観てしまうという一種のバイアスがかかってしまうのでしょう。
しかし、強盗団の手口を細かく丁寧に描いた脚本やラストのどんでん返しなど、本家とはまた違った見どころも多い良作です。観るよろし。
