トラボルタ

たかが世界の終わりのトラボルタのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.5
『いつも』の家族に異質な要素が加わることで、これまでの世界が壊れてしまう話。12年も帰省しなかったルイが急に帰ってきた理由を家族全員が何となく察しているものの、誰もがそれぞれの理由でその告白を聞きたくないと思っている。ひとつ屋根の下で暮らしていても、考えていることは皆バラバラで、『家族は港ではない』という歌詞はそのまま当てはまる。ただ、母の愛だけは失われていないことにぐっと来た。

飛行機やタクシー、家の窓から外を見るシーンが多用されているが、このシーンによって境界線を観客に意識させ、ルイと家族との間に超えられない境界線が引かれていることを暗示している。