Shun1028

たかが世界の終わりのShun1028のレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.0
記録用

家族って、長い時間を共有しているのに(あるいは共有していなくても)喧嘩や何気ない会話ばかりで、大事なことはなかなか口にできない。でも、そういった積み重ねで家族は成り立っているということがリアルに表現されていたと思う。

ルイの存在は、家族と喧嘩や何気ない会話を積み重ねてこなかった時間の結晶のようなもので、
母マルティーヌの過剰なまでの場を楽しく保とうとする姿、兄の嫁カトリーヌが状況を一番把握しているという皮肉な展開が、ルイと家族との時間の壁を一層濃くしていた。

それぞれの人物の描写も細かく、表情や言動、行動の一つ一つから感情が読み取れた。
観るたびに、別の感情を呼び覚ましてくれそうな作品。
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