『何を理解すれば良い?』
また今作もストーリーラインに印象的な歌詞を添えて‥ドラン監督らしい作品の最新作!
《シンデレマン》
この煙草の匂いがしたら‥貴方の魔法は溶けます。
ルイは、久し振りに疎遠になっていた家族の元へ帰ってきた。
彼は‥家族に逢いに来たけど、彼の想いを尻目に、淡々と、家族から、異形のものだとでも思われながら‥
埋まらない溝に、見えない傷は広がるばかり。
ドラン監督にとってゲイ視点の家族関係の難しさは、自叙伝を作品化した『マイマザー』でも見受けられる。
勿論、その経験が、今作の中でも繊細に会話の中に感じられて‥美しい。
フィルマを始めなきゃ知らなかった監督ですが‥ミドル世代の監督の層の厚さを痛感しました。
お母様役の我の強さや強烈な喋り、母性には‥愛おしく狂おしく感じる。
あぁ何で近場で上映してくれなかったんだろう。
ゲイの偏見とは違う別の何かが‥儚く散ったデザートの時間。
一体何だったんだろう。
映し方や繊細な会話は、ドラン監督の右に出る監督はいない。