こりん

たかが世界の終わりのこりんのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.0
『何を理解すれば良い?』

また今作もストーリーラインに印象的な歌詞を添えて‥ドラン監督らしい作品の最新作!

《シンデレマン》
この煙草の匂いがしたら‥貴方の魔法は溶けます。

ルイは、久し振りに疎遠になっていた家族の元へ帰ってきた。

彼は‥家族に逢いに来たけど、彼の想いを尻目に、淡々と、家族から、異形のものだとでも思われながら‥

埋まらない溝に、見えない傷は広がるばかり。

ドラン監督にとってゲイ視点の家族関係の難しさは、自叙伝を作品化した『マイマザー』でも見受けられる。

勿論、その経験が、今作の中でも繊細に会話の中に感じられて‥美しい。

フィルマを始めなきゃ知らなかった監督ですが‥ミドル世代の監督の層の厚さを痛感しました。

お母様役の我の強さや強烈な喋り、母性には‥愛おしく狂おしく感じる。

あぁ何で近場で上映してくれなかったんだろう。

ゲイの偏見とは違う別の何かが‥儚く散ったデザートの時間。

一体何だったんだろう。

映し方や繊細な会話は、ドラン監督の右に出る監督はいない。
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