余命わずかなルイが12年ぶりに帰郷し家族へそのことを伝えようとする。
12年という時間によって、寂しさ、悲しさ、憎しみ、不安、妬みという感情を抱かせたのかのような兄アントワーヌとルイの口論。シュザンヌがアントワーヌを責める姿。
本当は愛情あるがゆえになのに、まるで心から憎んでいるかのようで辛かった。
愛が終わることに比べたらたかが世界の終わりなんて。
ルイは自分が家族に課した空白の12年間によって、兄アントワーヌが、兄としての責任感、自分を責めて来たのかもしれないこと、弟が自分を頼って来ずにひとりで夢を実現していることへの悔しさや妬み。
そのことが、あんなふうにルイのことを責め、ルイがなにか大切なことを話そうとするのをまるで阻止するようにまくしたてていることを感じ、なにも言わずに去って行ったんだろう。
自分自身の世界がおわることは、この家族の愛が壊れることを考えたらたいしたことではない。
この映画の邦題がこの映画の主題をわかりやすくしてくれている。