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たかが世界の終わりのminyamooomのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
3.0
マイマザー、に続いてドラン2作目。
もっとハイペースで見たいんだけどフランス語の響きがそんなに好きじゃなくて(しかも超喋るし。クワァー!!!!みたいな)見るのにわりと気合いがいるやつ。

ドラン2作目のペーペーのわたしには、これがドラン!とか全く語れないんだけど、今回も会話の応酬がすごい。ずーーーっとほぼ怒りながら話してるのを見続ける。なんでそんなに怒ってんの?!
マイマザーのときはお母さんと息子のやりとりだけ見とけばよかったんだけど今回は

お母さんと『息子』
兄と『弟』
妹と『兄』
兄嫁と『弟』

とこの4つの組み合わせを見続ける。

マイマザーに兄弟いたバージョン、みたいな感じ?でも、マイマザーのときは何だかんだ言ってもすごく愛情が感じられたんだけど今回はかなりギクシャクした家族をみせられた。これ、ルイがいるせいでギクシャクしてるんだよね?普段はこんなんじゃないんだよね…?ルイもそれに気付いてて、全ての言葉を飲み込む。

たかが僕の世界の終わり。
原題知らないけど、邦題は秀逸。

12年も離れていたあなたに、なにが分かるの?


行間から詳細は読み取れなかったんだけど、22歳でルイが家を出た時、きっとなにか事件があったんだろうなと。事件があって、ルイは出て行って、でも自分一人で成功した。そこに残された家族はたくさん苦労や辛い思いをしてやっとの思いで安定した生活を手に入れた。(昔の家には思い出したくない思い出があるのでは)特にお兄ちゃんはたくさん苦労した。だから弟見るとムカつく、お兄ちゃんの苦労も分かるからお母さんもルイに優しくしきれない。妹はまだ小さかったから、出て行ったお兄ちゃんに憧れがある。その妹をみてまた兄はムカつく、て感じかなぁ…と。

親子関係もそうだけど、兄弟の関係もとっても難しいよね!!

て映画なのかな…と。

ちなみにわたしも構成は違うけど兄と弟がいる三兄弟だから、妹目線で鑑賞してしまったんだけど終始息がつまるような思いで見続けたよ。遠くにいる弟が久しぶりに実家に帰って来たとき、自分の不在を気まずい思いをすることがないようにしたい。遠く離れていても居場所は常にあるんだよ。日頃から連絡をたくさんとって、なにを思っているか、どう過ごしているか、たくさん話したいと思ったよ。久しぶりに会って話すとして、それが余命の話なんて絶対嫌だ。
…なんて、ドランこんな甘いこと一切言ってくれないよ。

これ、兄弟いなくて一人息子だったらきっとお母さんと簡単に和解できたんじゃないかなぁ…

息が詰まる映画だったけれど、自己主張の強いお母さんが割と好きだったよ。

楽しいことを思い出してまた味わう
彼女が知ってても話すのが楽しいの
自分のために話してる

お母さんがおんなじ話何回もしてても楽しく聞いてあげようと思った。





そのとおりよ
理解できない
でも愛してる
誰もこの愛は奪えない
minyamooom

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