圧倒的な孤独。
他人と見える景色が違う、才能がある故の理解されなさ。
大切なこと一つまともに伝えられない距離。
一方で、才能溢れる美しい二男に見放された家族たち。
嫉妬、畏怖の念、薄気味悪さ。自分の価値を否が応でも意識する。
唐突な二男の帰宅は不穏な影をまとって家族の噛み合わなさを浮き彫りにする。
それぞれに、自分の尺度でしかものを見れていない。
それぞれの視点。
それ故の噛み合わなさ。
分かり合えなさ。
孤独。
一番赤の他人であるはずの長男の嫁が、ひょっとしたら最も俯瞰してものを見れていたのかもしれない。
皮肉。