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屍者の帝国のpeplumのレビュー・感想・評価

屍者の帝国(2015年製作の映画)
4.3
時は1878年のロンドン。霧に霞む魔都の片隅、薄明かりの部屋で、青年がキリキリと注射器のような機械を操作し、傍らの椅子に座る、死んだように眠る青年の項に差し込んだ―
夭折の天才伊藤計劃の遺作を盟友円城塔が継いで完成させた、というニュースしか知らなかった不勉強な私は、それでも面白そうだったので今作を見に行くことにした。どうやら声優が豪華ということで否が応でも期待が高まった。
ヴィクター・フランケンシュタインの創始した屍体蘇生技術が発達した世界。それは屍者が労働と兵役に最適化された世界。
屍者と生者を分けるのは魂の質量、21グラム。
ジョン・ワトソンとその友人で今や屍者となったフライデーは英国政府との取引により、ロシア帝国の技術者カラマーゾフからヴィクター・フランケンシュタインの手記を入手する任務を帯びる。英領ムンバイに渡って護衛のバーナビー大尉とロシアのエージェントニコライと合流、カラマーゾフのいるというアフガニスタンを陸路で目指す。その旅路でワトソンが目にしたものとは…。
進撃の巨人をアニメとして創出したWITスタジオの圧倒的な技術力によって現れる圧巻のロンドン、日本、そしてスチームパンクの風情がある機構の数々。ええな。
細谷くんをはじめ、頼れる大尉の楠さん、キリリとした花澤香菜嬢、儚げな三木眞さん、圧倒的な大塚明夫さん、万を持しての菅生隆之さんなど映画館の音響で迫力倍増の面々に大満足。
何よりちょいちょい現れる史実やフィクションの人物、なんならワトソンはあのワトソンだし、ドリフターズ好きとしてはワクワクしました。原作読んでみようと思います。
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