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マルガリータで乾杯を!のmのレビュー・感想・評価

マルガリータで乾杯を!(2014年製作の映画)
4.8
主人公の大きな眼は彼女自身の喜怒哀楽を観客にダイレクトに叩きつけてくる。そんな彼女の眼に映る感情を監督もカメラも一切逃さずクローズアップで捉えて、映画に最大限に活かしている。

障碍を抱えた主人公の女の子は時に傷付きながらも、恋にも性にも、自分の欲望に正直に、奔放に向き合っていく。性の垣根も超えて。人によってはそんな彼女の正直さを嫌悪するかもしれないが、この映画は彼女の青春と恋と性の冒険を大らかに肯定し(世間のタブーなんて一切気にしていないのが素晴らしい)、繊細に彼女に寄り添っていく。

描写やカットの間や台詞を無駄に重ねず、最低限の描写や間で最大限に観客に感情を伝える監督らスタッフの手腕と編集の巧みさが、この映画の勇気と志をさらに後押ししている。そして何よりも、主演女優に拍手を。

女性が当たり前に性欲を持っている、という表現がなかなか受け入れられない映画界=男性社会において、ここまで自然に且つ堂々とそれを表現した(しかも障碍者の女性)、その事に敬意を抱く。
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