「最後の決闘裁判」への感想ブログや撮影現場での振る舞いから分かるように原田眞人監督は人間的には本当に駄目なんだけど、それに反して映画監督としての原田氏はまだまだ優秀というかどうやら今最盛期が来つつある>>続きを読む
アニメ制作にまつわる作品なのだけど予想外に硬派というか、アニメ的にならずにしっかり地に足着けて腰を据えて作られていて良かった。監督や現場が良かったのか静かな熱気が俳優部にも確かにあって、これは好きな映>>続きを読む
ミランダ・ジュライ監督は以前長編監督デビュー作「君とボクの虹色の世界」を観た時に、その独特でユーモラスで鋭く何か本質を突いてくる表現に本物の天才だと震えたのだけど、監督最新作である今作がまたしても独特>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
傲慢な映画だと思う。この映画を書いた脚本家の気持ちが分からなくはないけど、それでも傲慢だと俺は思う。(最初に言っておくと、この文章は『思う』というワードが頻出します。つまり結構勝手な想像で書いてる部分>>続きを読む
息子との部分にフォーカスを絞るのは構成としてやりやすいだろうからよく分かるんだけど、80代と130代の間の彼女が最終的にああいう風に思うに至る部分(それと親友との別れの部分)をこそもっとフィーチャーす>>続きを読む
ミソジニーたっぷりな話を聞かない男達&神出鬼没の日本軍の零戦&謎の怪物グレムリンという三つの困難に立ち向かいながら、ある目的を果たそうとするクロエ・グレース・モレッツの孤軍奮闘。単なるB級映画かと思い>>続きを読む
ファンタスティックビースト・シリーズはとにかく1作目が良くて、あの素晴らしい美しいラストシーンはずっと記憶に残っているのだけど、一方シリーズの方は作品を重ねるごとに出来が悪くなっていくのだった。
目的>>続きを読む
鬼才・城定秀夫監督の2023年新作連打第一弾は「ビヨンド・アワ・ケン」のリメイク。宣伝されているようなドロドロした映画では全くなくて、城定監督らしい人間への優しさに満ちた映画なのでむしろ爽やかな映画で>>続きを読む
ギレルモ・デル・トロによるピノキオのコマ撮りアニメ映画化は、ただ原典の物語をなぞるのではなくデルトロらしいテーマ性と更なる深みを携えた全く新しい映画として再誕した。
時代設定を戦時下に移した事で、デ>>続きを読む
火山研究に人生を賭けた学者夫婦のドキュメンタリー映画。今年のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー映画賞を獲る可能性高そう。
滝沢秀明に見せたら滅茶苦茶興奮しそうな貴重な火山や溶岩の映像が満載。それでも>>続きを読む
ミステリーとしての奇抜さ斬新さを狙うあまりに後出しジャンケン・掟破り・雑な飛躍を乱発、それを作り手自身が自覚している故に台詞でその乱雑さを茶化し誤魔化し始めて、もはやミステリーの皮を被ったブラック・ギ>>続きを読む
アロマンティック・アセクシュアルである故に周りから理解されない苦しみと孤独を抱く主人公を、この映画はそっと寄り添い励ます。この映画に存在を肯定されたような気持ちになる人はきっといるはず。誰かの力になれ>>続きを読む
鬼才・城定秀夫監督の2022年監督・脚本作連打最終作。とうとうメジャーになってしまったけど、メジャーになってもエロVシネやピンク映画を撮ってた頃と作品撮るペースが変わらないというかむしろ加速してるのが>>続きを読む
『有害な男性性』がロリー・キニアの顔をして襲ってくる!アレックス・ガーランド監督ならではのエッジの効いた作風&テーマ性とA24のゴリゴリなアート性が悪魔合体、多くの観客を平然と振り落とす作品が誕生。ク>>続きを読む
寡黙で雄弁。骨太で繊細。16mmフィルムのざらついていながらも温もりのあるルックが映画を象徴する。これは豊かな傑作だった。
ホテル清掃の仕事をしながらプロボクサーとしてリングに立つろう者の女性の日常>>続きを読む
残念だった。あの完璧主義者ジェームズ・キャメロンが遂に雑な映画を作ってしまった事が、本当に哀しい。
やる事が多すぎる上に3作目にも繋げないといけない故に、脚本がかなり歪な事になってしまっている。登場人>>続きを読む
才人ジャウム・コレット=セラ監督をもってしても、アメコミ・ヒーロー映画という巨大産業の中ではこういう半端で空虚なものしか作る事ができないというのが哀しい。ジャウム監督は本当に良い監督なので、「ジャング>>続きを読む
一人の女性が自分の人生を生きる為に挑む闘いを至近距離で見つめ続ける、凄まじい大傑作。これはフェミニズムに対するバックラッシュが起きつつある今こそ必要な作品。必見です
『主婦になる病』という言葉に込め>>続きを読む
初ブリュノ・デュモン映画!と意気揚々と臨んだら全く歯が立たず唖然茫然。世界は広いね。
フランスの美しい片田舎、太々しさMAXな面構えのクソガキの周囲で巻き起こる「ツイン・ピークス」テイストの「セブン>>続きを読む
【映画作家・井上雄彦】が爆誕していて心の底から震撼した。圧倒的な活劇性と詩性!野心的な構成と繊細な演出。完全に『映画』だった。マジで『映画』だった。まさかここまでだとは・・・体感型映画なので是非劇場で>>続きを読む
美しく豊かな大傑作!真顔でギャグをどんどん打ってくるスタイルに笑いながら観てたら、いつの間にか心掴まれ胸抉られてボロボロに泣いていた。年間ベスト級です。
生きる事の終わりの無い苦しみと、その合間に刹那>>続きを読む
芸能ゴシップの餌食になってしまい、冷静な評価を受ける機会を奪われた事が残念なオリヴィア・ワイルド監督第2作。このゴシップ騒ぎで将来有望なオリヴィア監督の未来に悪影響が残らない事を願いたい。
画と音で>>続きを読む
英雄譚の脱構築。現代的な脱マッチョイズムによる、まだ何者でもないという事に縛られる若者が彼なりの英雄への一歩を踏み出すまでの四苦八苦な旅模様を、デヴィッド・ロウリー監督が「A GHOST STORY」>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
この国では殺人犯(死刑囚)の息子として生きるよりも、在日韓国人として生きる方が過酷で、地獄である(あるいは同じである)という事。それをこの映画は描こうとしている。だからこそ繰り返し繰り返し、在日韓国人>>続きを読む
あの「トロール・ハンター」以来のトロール映画、滅茶苦茶大真面目に馬鹿馬鹿しい事をやっていて好印象。こういうのはふざけず真面目にやるのが大事です。何よりこれは滅茶苦茶良い怪獣映画ですよ!!リアリズムに根>>続きを読む
スタジオジブリとスターウォーズのコラボ案件。めっかわ!!点数おまけしてあげちゃう
アニメーションの動きによって線に生命が宿る。グローグーの事今まで何とも思った事なかったけど、このグローグーはソーキュ>>続きを読む
今年まさかの全米NO.1大ヒットを果たした新星ホラー映画がディズニープラスにて日本上陸。あのねこれ滅茶苦茶面白いんで、予告も見ずストーリーも何も知らずに見て下さい。予測不能な展開にぶん回される楽しさが>>続きを読む
崩壊寸前、というか『明らかに今のでもう関係ブッ壊れたでしょ』という瞬間が頻出するにも関わらず、その崩壊すらもやんわりと受け入れるようにそのまま続いていくこの怒涛の愛憎人間関係の嵐の奇妙なバランス感覚。>>続きを読む
軍に兵役する親友同士のイスラエル人女性2人組。とにかくこんな砂漠地帯から逃れて大都会の勤務に移りたいダフィと仕事サボってマインスリーパーで新記録を出したいゾアール、そんな2人と彼女達の周りの女性達が織>>続きを読む
セリーヌ・シアマ監督最新作、これは最高じゃぁないですか。心の奥底で理解できる、奥底に触れてこられる感覚。夢を見ていたような。
親の子供時代、つまり親という属性を無くして個人そのものを見つめるという事の>>続きを読む
過去作を見ていないまま3作目を見るという不届者故に謎めいたオープニングや主人公が奥底で抱えるもの、そして黒幕らしいQという存在の事が今ひとつ分からず。それでも冒頭すぐに巻き起こる空港での長回し大乱闘(>>続きを読む
主演俳優チャドウィック・ボーズマンの病死をそのまま物語に取り入れる所から始まるこの映画は、大切な仲間だったチャドウィックへのスタッフ・キャストの弔いの儀式であると同時に、虐げられてきた民族同士の対立と>>続きを読む
これは今泉さんの映画で一番好きかも。愛情と創作その両方の、各々の有り様の違いだったり変化についての右往左往と思索。個人的に分かる感覚もあったな。一つの映画の中に中年の感覚も若者の感覚もあって、そして『>>続きを読む
タナダユキ監督×向井康介脚色という邦画界現役トップレベルの組み合わせであの漫画を映画化、これで「私の男」みたいにいやこれなんか違うな・・って感じになったらどうしようかと冷や冷やしたけれど、しくじりはし>>続きを読む
1930年の名作映画をリメイク、というかこれは同じ原作小説を全く異なるやり方で映画化したリ・イマジネーションといった趣き。ドイツの反戦文学をアメリカ人がアメリカ映画として映画化した1930年版に対して>>続きを読む