えいこ

500ページの夢の束のえいこのレビュー・感想・評価

500ページの夢の束(2017年製作の映画)
4.8
心温まる素敵な作品。ダコタ・ファニングの演技も素晴らしい。

思い通りに自分をコントロールできないウェンディのもどかしさが伝わってきて序盤から涙がとまらない。
自分のできることを一つ一つ復唱し、ノートで確認しながら、まっすぐ進んでいくウェンディに、保護者目線でハラハラドキドキしながら、終盤にかけては、凄いよ、頑張れ、と応援の気持ちが込み上げてくる。
途中で会う心無い人たちもいるけど、助けてくれる親切な人たちもいる。

心苦しいけどひとりにはできず、施設に入所させてるオードリーの気持ちもよくわかる。庇護して面倒を見てきた親鳥には、ひな鳥の巣立ちのタイミングを見極めるのは難しい。ウェンディの能力を活かして自立支援を進めるスコッティさんはさすがプロだが、自分の息子サムには目が曇るのが人間らしくてまた素敵。スター・トレックを切り口にウェンディの警戒を解くおじさん警官の余裕にもほっとする。

人が皆自分らしくいられて、どんな人にもそっと手を差し伸べ合える社会でありたいと思う。
えいこ

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