たけちゃん

マドモアゼルのたけちゃんのレビュー・感想・評価

マドモアゼル(1966年製作の映画)
3.6
屈折したこころが女性を悪女にかえる物語。
山間部の昔のフランスの小さな町の物語。ほとんどの人が農業や牧畜で生活する中、一人化粧をし着飾って、町の人からも一目置かれマドモアゼルと呼ばれる女教師。お高くとまっているが婚期を逃し実は町の人からは陰で憐れまれる存在。その教師が山で木こりの逞しいイタリア男性に恋をし、性的に引かれる。だが、その男は町中の女の憧れの存在だったのだ。他の女とじゃれ合う男をみて、おそらく処女であろう女は静かな嫉妬を抱くようになる。
原作はフランスの小説家ジャン・ジュネ。彼は幼少期から壮絶な人生を送り数々の犯罪で終身刑になったところを、その作品の芸術性の高さからコクトーやサルトルの嘆願でたすかった人物である。そして、この物語には、彼の人生の一部が入っている。
そして主演はジャンヌ・モローで、そこに立っているだけで怖いのです。オーラが凄い!
ちなみに、町山智弘さんの著書「トラウマ映画館」の表紙になっているのもこの映画の彼女である。
(*ジャケの写真)