すごい真面目な映画だ。
カルト集団の集団自殺を取り上げてるからといって、エグい映像を期待してると裏切られるかもしれない。
焦点は信者たちにあるのだと思う。
インタビューとして取材者たちが聞いて回る信者たちの微かな人生。
なぜ彼らがこんなインチキ臭い楽園に集まったのか。
ここはまさに死の楽園だ。
たくさん死んだからじゃない。
それぞれが自分の人生に飽きていたのか、諦めていたのか。
欲しかったのは最後の居場所。
でもそうではない人達もいた。
社会から弾き出された人、常に生活に限界を感じていた人、他にいるべき場所なんて地球上のどこにもない人。
そういう心の隙間につけこまれた人達。
そんな人達を巻き込んで、ひょっとしたら彼らは最初から死に向かって走っていたのかもしれない。
取材者たちはそれを残すために招かれたのか。
パトリックの死に際が最も可哀想だった。
彼にだけ「死にたくない」と言わせたのだろうか。