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ヴァレリアン 千の惑星の救世主のJIZEのレビュー・感想・評価

3.6
28世紀の宇宙を舞台に銀河系をパトロールする連邦捜査官たちが巨大な陰謀と対峙していく名作SFコミックの実写化を描いたスペースオペラ映画‼フランス産映画で待望のデハーン最新作となる。結論から言えば彼のフィルモグラフィ群で伝説とされた「アメスパ2」を凌ぐ佳作であった。骨格は諸に「アバター」の格式張った青いビジュアルと「スターウォーズ」のクリーチャーが共存する世界観を二で割ったようなゴリゴリの濃度がある手触り。特に後者で挙げた作品で登場するジャバズハットのような怪物が登場するシーンは下敷き感がややある。ストーリーのメリハリが弱いいっぽうで冒険描写がガジェットをガシガシ駆使しながら敵を粉砕し闊歩する様が派手で痛快。デハーン演じるヴァレリアンの草食系ぽい役柄がカーラ・デルビーニョ演じる相棒ローレリーヌといい案配に噛み合いバディ映画としてもこの凹凸コンビでシリーズ化を見込んでいるのは明瞭だった。脚本の良し悪しを置けば目まぐるしいセンセーションな近未来の映像の直線的なカタルシスを楽しめるし芝居の域も何ヵ所か変化球のような演出を魅せ続編へ進化を感じ取れる手堅い快作であった。
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